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「バランスシート不況説」が正しいしたという奇妙な主張

 
 いい加減、経済ネタを書きたくなったので書いてみました。最初のネタは、昨年末田中先生のブログに書かれていたリチャード・クーの『「陰」と「陽」の経済学』東洋経済新報社 です。ただ、精読してない途中結果なので、不備などあったらご容赦ください(だったら書くな!!)。精読した後、修正が必要な場合は後ほど修正します(精読後の文章はこちら)。

 この本の内容は「失われた15年のバランスシート不況では金融政策は無効であり、公共投資のみが不況を回復させる政策であることが証明された」というだが、私には一体何を考えて出版したか訳が分からない。現在大企業のみ景気が回復しているのが事実だとしても、財政赤字によって公共投資が減少し続ける現状では、その公共投資によって景気回復がもたらされたとは到底思えない。クー氏はあくまでも「企業努力によって企業のバランスシートが改善されたから、今回の景気回復がある」と主張するだろうが、景気回復がなぜ2004年以降になったかを説明するのは困難だろう。なぜならリストラや借金返済など企業努力はバブル崩壊直後から始まっているのだから・・・。リフレ派が「福井総裁による量的緩和による金融政策の転換による効果が出たもの」という主張と比較すれば雲泥の差です。

 また、第6章でクー氏はリフレ派(ポール・クルーグマン氏、岩田規久男氏、野口旭氏、田中秀臣氏、若田部昌澄氏など)に批判された内容に関して反論している。無視している多くの論者に比べればまだ誠実だと思えるが、反論自体は誠実に答えているとは到底思えない。例えば「リフレ派がなぜデフレになったか説明していない」(P262~263参照)(注:リフレ派はデフレの原因を日銀の金融政策の失敗だと散々書いている)など、予備知識がない人間を誤解させる内容である。これでは、クー氏が自ら不誠実な人間と宣伝をしているようなものである。ただ、この点も『良い円高 悪い円高』(1994)での標準的な国際マクロ経済学を「小宮理論」とレッテル貼りをして非難したのを知っている私には「進歩してないな」としか思いません(笑)。小宮氏とクー氏の論争は、当然クー氏の完敗でした。

 経済に詳しくない方は意外に思われるかも知れないが、私はクー氏のバランスシート不況論にとってリフレ派の主張は悪いものとは全然思っていない。バランスシート不況の回復には、マイルドなインフレを維持することは、企業の実質金利を下げるのでむしろ有効だと考えている(クー氏は認めないようだが、リフレ派は企業のバランスシート問題に関してきちんと考察している)。両者の立場の違いは、金融政策の有効性とリフレ派は財政政策だけではデフレギャップが巨額すぎてそのギャップを埋めることができないという違いだと認識している。当然、私はリフレ派の主張の方が正しいと考えてるけど。

 クー氏はこんな本出版すべきでなく、リフレ派の非難に対して「ダンマリを決めた方が良かった」と思うのは私だけではないだろう。でもクー氏の過去の言動を考えても無理なようです。
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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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