気合いの入れ方はすごいが、内容は世間知レベル

 
 昨日読売新聞を読んだら1面トップに「経済再生へ政策提言を」という総力特集といって過言でない内容が掲載されていた(概要)。記事集めに苦労する時期だが、この特集の気合いの入れ方は半端ではない。

 残念ながら、その内容は経済学の裏付けのない世間知レベルだ。
 まずは「技術により国際競争に勝ち抜け」とスイスの国政経営調査期間IMDによる国際競争力の順位が引用されている。国際競争力というものは標準的な経済学には存在せず、算定方法も発表している機関によってバラバラだ。要するに国際競争力は国際的にまったく通用しない概念なのである(爆)。国際競争力という定義が不明確なモノ(イメージと考えて差し支えない)の順位をどうやって上昇させるのか、この記事を執筆した記者に是非とも聞いてみたいものである。
 そしてこの提言では国家の成長戦略を捨ててはいない。新興国の需要を取り込めとして「新通商戦略を掲げろ」とか「人手不足の医療・介護分野を成長産業に育てて、雇用創出に取り組みべきだ」など言葉を置き換えても、結局成功した経験のない産業政策の焼き直しの政策にすぎない。成功する可能性はほぼゼロであろう。

 主張が整合的でないことも気になる。例えば、「消費税まず10%」とし、「消費税引き上げから逃げるな」という一方、「公共投資を罪悪視せず、地方活性化を図れ」とある。これを読んでいてエコポイント減税で消費を増やそうとする一方、責任がある政治として将来の増税を示唆し消費を抑制させるような発言を行った麻生政権の愚行を思い出す。「消費税まず10%」などと言ったら、公共投資でインフラ整備を行っても、将来の増税に備えて消費を抑制しインフラを有効に利用しないということが想定される。この提言でこういった整合性を考慮しているとは思えない。

 最後に「日銀は金融緩和を続けろ」と書いてあるが、デフレが日銀の責任であることの責任問題やインフレターゲットなどの目標と責任の明確化や日銀法改正による「中央銀行の独立性は政策手段の独立性だけである」という中央銀行の正常化(笑)に関しては何ら書かれていない。まあ、大新聞が日銀を批判するとリーク情報がもらえないと困るので、堂々と日銀を批判できないのだろう。

 結論としては、「かっこいいことがいろいろ書かれているが、政策実行の優先順位(こんな多くの提言いっぺんに実施できないよ)、経済学や論理の一貫性について深く考えられたものではなく、私にとってまともに議論するレベルではない」というものだ。総力特集でこのレベルですか。この特集を書かれた記者達はもう少し勉強した方が良いと思います。
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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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