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「為替レート=購買力平価」という幻想

 
 前回の続きです。話の内容は「実際の為替レートと購買力平価が一致するまで構造改革を続けるべき」と野口氏は主張するが、根拠のない上「為替レートと購買力平価が一致しない」のは当然で実現不可能という話です。
 一致しない理由とは、貿易財より生産性の低いものが多い非貿易財が存在することだ。非貿易財の生産性が低いのはサービス業など労働集約的な産業が多いからである。床屋(なぜこの手の話で床屋がよく出るのが私は知らないが)は非貿易財(財はサービスも含む)である。床屋は近所の同業者と競争関係にあるが、中国やアメリカの同業者とは競争関係はないし、貿易をしようがない。これらの産業が貿易の影響を直接受けることは考えられないのである。
 サービス業は労働集約的な産業が多く生産性向上は困難である。製造業などの貿易財は新しい機械を導入するなど生産性向上はサービス業より容易だが、床屋ではどう頑張っても理容師には腕は2本しかない。しかもお客の好みに合わせて一人一人髪型を変えなければいけないのである。このようにサービス業によって標準化は容易でない。野口氏のように「貿易財のみが影響する為替レートを非貿易財を含む一国の購買力平価に合わせろ」というのは、産業構造を無視した暴論と言える。

 これらの前提をすべて認めても、「貿易財の影響が非常に多ければ非貿易財も購買力平価で一致せざるをえない」と考えるかもしれない。しかし日本の貿易依存度は、この資料によると2006年で輸出が14.9%・輸入が13.3%程度で、この主張が成立するとは考えにくい。しかもアメリカは別にしてイギリス(輸出17.9%輸入22.9%)ドイツ(輸出38.8%輸入31.7%)の方が貿易依存度が高い。日本のGDPは内需依存が高い構造である。

 このような状況で、為替レートと購買力平価が一致さえることは不可能という結論にならざるを得ない。

(多分まだ続く)
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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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