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「VOICE」 2008年10月号(2) ツッコミどころが多すぎる野口悠紀雄氏 その1

 
 今回VOICEで採り上げる文章は、野口悠紀雄「円高なくして成長なし」です。読んでみてあまりの無茶苦茶な主張にガッカリした。

 最初は国際経済学の初歩的な無知です。まずは経常収支に関する点です。野口氏は「経常収支の不均等は、本来持続しないものである。為替レートがドル安に動いてアメリカの経常収支が縮小するはずだ」(P44)、という一文を読んで爆笑。中長期的な経常収支は、一国全体の貯蓄と投資のバランスで決まるのは経済理論の初歩である。貯蓄・投資バランスによって資本の純輸出を行っている国が経常黒字、資本の純輸入を行っている国が経常赤字であり、資本が自由化されてば経常黒字や赤字は持続する。そもそも本来持続しないものが、何十年も持続するはずがない(笑)。
 また「為替レートによって経常収支が均等にむかう」という考え方も間違いである。大幅な円高など為替レートが急激に動いても、一国の貯蓄・投資バランスが影響しない限り、1~2年の短期的な影響でしかない。これは過去の円高やドル安の経験から見ても明らかである。野口氏のように円高により日本の経常黒字が縮小し、経常黒字が解消されるなど考えられない。従って野口氏の経常収支や円高円安に関する主張は完全に誤りである。たとえ円高が原材料高の影響を吸収するにしても、日本がが一定の為替レートを人為的に安定させることは不可能である。なぜなら理論上「為替の固定化・金融政策の自由・資本移動の自由は、3つ同時に実現できず必ず1つを放棄しなければならない」からである。もし、この3つが同時実現可能なら、どこかの国がとうの昔にやっている。タイトルの「円高なくして成長なし」と言っても為替レートの固定化が出来ない以上、現実にはどうにもならない。

 結局、この文章で野口氏が言いたいことは、「日本に産業構造改革が必要」ということだ。野口氏は「一つの目安として一ドル七十円程度で利益を上げられる産業構造だ」(P46)と言うが、そんなことが可能ならばすでに日本企業はやってます(笑)。野口氏は「付加価値の高い製造業に移行する必要がある」と主張するが、具体的に指摘がないのでどのような産業なのか想像もできない。急激な円高で大量生産型の製造業が崩壊し不況になる前提なのに「金融業や高度なサービス業が拡大する必要がある」(P47)と書いてのは、「論理が無茶苦茶だ」としか言いようがない。そのような状況になれば製造業の不良債権が増大し、金融業の拡大どころか縮小にしかならない、ことがなぜ想像できないのだろうか?

 野口氏は「経済現象は、可能なことと不可能なことがある。不可能事を追い求めるだけでは、現実をいたずらに悪化させるだけだ。可能事と不可能事の区別をはっきりと見極め、可能な範囲でできるだけ追求する必要がある。」(P46)。この点だけは、大賛成だ。不可能なことばかり主張する野口氏にその言葉をそのままお返しする(爆)。
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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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