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自らの経済学的批判と闘う気が見えない『闘う経済学』(2)

 
 前回の続きです。小泉政権構造改革の最大の功績は郵政民営化でしょう。郵政民営化担当大臣だった竹中氏は、自画自賛をやめるはずがない。

 私は、さまざまな反対をねじ伏せて郵政民営化を達成したが、この民営化はある程度の妥協はあったと考えるべきだろう。
 若田部早稲田大学教授が言うように「原理的に銀行(郵貯)と保険(簡易保険)を国家が営む理由がないといえる。過去においてはともかく、少なくても民間の銀行や保険会社があるからだ。(中略)本来からいえば、必要なのは民営化というよりは廃止であろう。民業圧迫を懸念するならばなおさら廃止すべきである」(強調引用者:『改革の経済学』ダイヤモンド社、2005、P81)。竹中氏はこの点に関して「地方の切り捨てを防ぐ」と反論するだろうが、以前このブログに書いたように郵政事業を効率化すればどのような企業形態にしようとも地方の切り捨ては避けられないと考えている。事実、郵政民営化後、地方郵便局の廃止が相次いでいる。
 私は政治や諸制度は妥協の産物だと考えているので、妥協に関しては批判するつもりはない。だが、政界から引退した竹中氏がそれを認めようとしないを評価できない。
 
 『闘う経済学』では郵政民営化の理由を説明している。だが、その理由に関して今回の民営化でどう対応したか具体的な説明されていない。郵政民営化反対論の反論で呆れたのがこれだ。
 民営化後の銀行を中心に、十分な収益を上げられないのでないかという危惧である。しかし、もとよりこれはおかしいな疑問であった。現状の収益性に問題があるからこそ民営化して収益を高めていくことこそが、郵政民営化のそもそもの狙いだからである。(強調引用者:P196)
 これでは反論になっていない(笑)。民営化して扱える事業を拡大しても、それで収益を確保できるかは別問題である。郵貯を民営化して普通の銀行となっても、集金業務しかやってなかったゆうちょ銀行の職員に、個人や民間企業を信用調査し、融資金額を回収するノウハウがあるはずがない。この民営化反対論に竹中氏はまともな反論ができなかったので、先程の引用みたいに誤魔化すしかなかったのであろう。
 郵政民営化で竹中氏は「郵政民営化以前の国債中心の民間運用から、民営化により株式などの民間部門の資金が流れる」と説明している。だが、「郵貯による財投債の購入が特殊法人の資金に回っても、財投債の購入は郵貯による自主判断である。もし自主判断でなければその部分を是正すべきであるし、その是正をするのには(政府の介入を困難にする)民営化はむしろ有効ではない。」(括弧内引用者『改革の経済学』P81)。このブログに書いたが、郵政民営化半年の決算では、国債中心の運用は変わっていない。ゆうちょ銀行が、民間投資に関するノウハウがない以上当然の結果である。

 竹中氏の得意分野であった郵政民営化であっても、賛成(私は賛成派)・反対派双方の批判にも正面から戦っているとは、私には思えない。
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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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