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批判しているが、根本は結局同じ

 
 『Voice』3月号で、上武大学教授の池田信夫氏が「雇用規制で日本を見限る製造業」というタイトルで寄稿し、同志社大学教授の浜矩子女史の「ユニクロ型デフレ論?」に対して批判している(浜女史のユニクロ型デフレ論に関して爆笑したことは私も以前こちらで前書いた)。
 浜女史が「安売り競争が、売り上げを減り、利益が減る」という主張に対して、池田氏はユニクロは過去最高の売り上げ・利益を達成していると反論している。私もユニクロがデフレにうまく適応している企業ではなく、浜女史がなぜユニクロをデフレの悪影響を受けた代表例ように書くのか、理解不能なのである。

 だが、池田氏の主張も全面的に正しいとは言い難い。「ユニクロの価格が他店に比べて下がるのは「相対価格」の変化であって、すべての物価が一律に下がる「デフレではない」」(P83)というのは基本的に正しい。だが、「一九九〇年後半から進行している物価下落のかなりの部分は、新興国(特に中国)の競争による相対価格の変化であり、金融政策で止めることができない。」(同頁)というのは理解不能である。物価にはサービス業等海外と競争できない多くの非貿易財が含まれるが、なんでそれらを含めた物価が下がるのか?池田氏・浜女史のお二人には、この批判をきちんと説明して欲しいものだ。

 池田氏は、「保護主義等グローバルの流れは止めることは、世界から孤立し、経済をさらに悪化させることになる」と結論づける。その対策として、「第一は、福祉・医療・流通などサービス業に人口を移動し、新興国との競争から逃げることだ。」(P84)という。「非効率な企業や産業はどんどん潰せ」という清算主義者の池田氏がこのような発想が出たことに驚いた。池田氏は、「規制改革によって競争を促進すれば、生産性も上がって賃金が上がる」(同頁)というが、サービス業特に福祉分野ってお年寄りの体の具合がそれぞれ違うので、標準化による生産性向上が難しい産業だと私は思うけど。池田氏は、分かっているのかな?池田氏は「第二は、情報通信・金融など新興国にできない知識集約産業に産業に特化し、新興国を生産基地に使うことだ。」(P84~85)とある。他国にない産業に集約しなければ、グローバル化に生き残らないというのは、国際経済を知らない人間が陥るよくある誤解である。農業大国で先進国であるオーストラリアの例を出せば、これ以上の説明は不要だろう。さらに他国ではできない製品や技術がない多くの国はデフレに陥っていないことを考慮すると、池田氏のグローバル化デフレ説と矛盾してしまうのだ。

 私から言わせれば、池田氏も浜女史も「グローバル化デフレ説」というトンデモ経済論から出発している点では同類と言わざるを得ない。「グローバル化デフレなら他国も同様の現象がおきなければならない。日本だけが何年もデフレが続く原因は、国内要因だと考えざるを得ない」という単純な発想がなぜ思いつかないのか謎である。
 それに池田氏は、浜女史の主張を捏造している。文藝春秋の文章を読めば、浜女史は「グローバル化デフレは日本経済には大問題だが、解消するために知恵をださなければならない」と主張しているだけで、保護貿易的な発想は見られなかった。「池田氏の主張は、鵜呑みにするべきではない」ということも改めて実感した文章でした。

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Author:百おやじ
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 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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