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物価の下落はたいしたことがないから大丈夫という反論

 
 昨日、日経新聞の「経済教室」で渡辺努一橋大学教授が「物価の反応の鈍さ 注視を」という論文を寄稿された。日銀などの反リフレ派がデフレに対してよく言う言葉が、「物価下落率がたいしたことはないから、デフレの影響が少ない」というものだ。今回の論文は、ミクロの視点からこの主張に対する反論になっている。今回備忘記録として概要を書いてみます。

 本論では、90年代以降になると需要の減少に企業は、価格の低下よりも数量の減少で対応したとする。渡辺教授は「つまり足下のデフレは、価格調整の役割が低下するという90年代はじめ以降続く傾向の中で、リーマンショックを気に大規模な負の需要ショックが発生し、それが無理やり押し下げようとしていると理解すべきである。」という。
 なぜなかなか価格が下がらないのか。その答えをして、アンケートによると「各企業がライバルの価格戦略を強く意識し、相互に牽制し合う結果、製造原価や需要が変化してもすぐには価格を調整しないのだ。」という。価格ドットコムのデーターを用い分析すると、「価格ドットコムに出店する各商店はライバル企業よりも少しだけ安い価格をとっている。」という。その理由として「競合店より高い価格では顧客を失ってしまうので、それは避けたい。といって、ライバルの価格を下回れば下回るほど来店数が単調に増えるわけでもない。よってライバルよりも少しだけ安い価格を提示するのがベストである。」と結論づけている。
 「このようにして各店舗が互い価格を模倣するという行動が生まれ、これがゆっくりとした価格調整を生み出す。」という論理で、ミクロの視点から物価が少しずつ下落することを説明している。無学な私はこれを読んで納得してしまった。

 この実質硬直性がある経済では、「最も重要なのは、仮に物価の下落が小さくても、その背後にある経済厚生の損失(経済のゆがみ)は小さくないということだ。実質硬直性のために物価が動きにくくなっているのだから、その物価がたとえ小幅とはいえ現に下がっているという事実は、それを動かす圧力が非常に大きいことを示唆する。物価の下落幅が小さいといって、決して軽視はできない。」という指摘は尊重すべきだ。
 さらに著者は中央銀行が「物価だけを注視するのは危険である。」と言い、「価格と数量の両方を合わせた指数としてGDP成長率に注目するのも検討に値する」と提言する。私には、この是非を論じる能力が残念ながらありません(苦笑)。
 最後に「リーマンショック前の名目GDP水準に回復するまで量的緩和を含む超金融緩和を継続するなど、企業や家計の物価予想に積極的に働きかける施策が必要である。」という一文は大賛成だ。

 個人的な評価としては、今年の「経済教室」ナンバー1になりそうである。

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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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