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小池和男『日本産業社会の「神話」』を読む

 
 ちょっと前に読み終えたんだけど、最近書評ネタを書いてないことを反省して書いてみます。
 私がまだ通学の大学の学生だった時代から小池和男先生のファンでした。それは日本的経営の俗説をデーターと現場からの聞き取りにより簡潔に打破してくれたからに他なりません。本書でも「終身雇用・年功賃金・企業内組合」といった日本的経営の三種の神器とされる俗説に関して批判しています。そして制度が違うので、単純な国際比較がいかに難しいことも書かれています。
 本書では公務員そして旧日本軍の階級による賃金(軍の階級は海外から輸入したものなので国際比較がしやすいらしい)の話までが出てきたのは驚きました。私のイメージだと民間企業のみ研究対象にしているイメージでしたが労働経済学の研究はそれだけでは済まないようです。
 そして今までの著作に載ってなかった全然知らなかったのですが、小池先生が熱狂的なサッカーファンだったことです。イギリスに留学した時、「経済学の勉強よりもマンチェスター・ユナイテッドを応援した」と公言したのは笑うしかなかった。もちろん現地で工場の労働組合の聞き取りという学者本来の仕事も本書に書いてあります。
 一番意外外だったのが歴史に残るマルクス経済学者山田盛太郎の講義の話が出てきたことです(この名前を知っている私も相当な経済オタクだ)。本書の文章を推察すると1955年前後だと思われるが、その講義の引用文献は小池先生の記憶の限り1930年代前半までのものであり、それ以降専門の勉強をしていないことを疑わせるものであったという。私のような人間でさえ知っている有名な学者の向学心がこの程度だったとはちょっと失望しましたね。マルクス経済学者=危険人物(当時の認識)として投獄された影響が大きかったのかもしれないが・・・。

 このように労働経済に関して真面目な話(あまり紹介しなかったけど)もあり、余談もいろいろある読者を飽きさせない上、勉強になる一冊でありました。

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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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