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雇用に関する正当な主張とトンデモ論

 
 田中秀臣上武大教授の最新刊『雇用大崩壊』日本放送出版協会(生活人文庫)を読んだ。田中先生のブログを毎日拝見している新鮮さはなかったが、オーバーに煽ることなく、雇用問題とその対応に関して正当な提言が書かれている。「非現実的」とよく言われるリフレ派だが、雇用という身近な問題から、マクロ経済政策の重要性が説明されているところがいい。と言っても、著者にその意図がないかもしれないが・・・。

 雇用に関してトンデモ論が非常に多い。呆れてしまったのが、田中先生と同じ大学(勤務地は全然違う)に勤める池田信夫氏だ。今週号の『週刊ダイヤモンド』67ページで論理が一貫していない主張をしていた。池田氏は「まず目を向けなければならないのは失業問題」としながらも、「解雇しやすい環境が整えば、自然と正社員採用が増える」とし「デンマークなどでは解雇規制を緩和する一方で、失業給付と職能訓練を手厚くすることで失業率が下がる効果が実際に出ている」と主張する。
 最初に断っておくが、解雇しやすい環境を整えば失業率が下がるとかデンマークなどの雇用政策に私は反対している訳ではない。「解雇しやすい環境を整えば失業率が下がる」というのは昨年まで解雇しやすい派遣労働者が実際増えているので正しい主張だ。一言で批判すると「池田氏の主張は需要不足の現在においては失業率低下にまったく役に立たない」のだ。
 現時点で正社員を解雇容易にしても、従業員の解雇順番をある程度平等化する効果しかない。なぜなら需要と仕事がなくなり続ければ、誰かを解雇をするしかないのだ。誰かが解雇されれば失業率は変わらない。言葉の定義の問題としてそもそも簡単に解雇される存在はいわゆる「正社員」に該当するのだろうか?それは欧米で普通に存在している労働者だと思います。
 失業給付を手厚くしても失業者の痛みを和らげることになっても雇用が増える訳ではない。職能訓練によって失業者が就職しても、需要が増え働く人の人数が増えない限り、いす取りゲームの如く他人を押しのけて座るしかないのだ。これでは当然失業率は変わらない。結局、池田氏は自分で何を言っているのかよく理解していないのである。

 関係ない話だが、経済学@ichigobbsの投稿で「最近某池田信夫大先生がなんらかの主張をするとその逆のことがおきるという法則を発見した。」という「逆池田信夫効果」あるいは「逆イケノブ効果」というタイトルのブログ記事を見て爆笑してしまった。雇用問題にしても「正社員の解雇を容易にする」という池田氏の的外れな主張が採用されることはないだろう。「私もこのブログ作成者みたいなユーモアが少しはあればいいのに」と人の才能をうらやんでしまった。

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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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