FC2ブログ
 
 
 
 
 

自らの経済学的批判と闘う気が見えない『闘う経済学』(1)

 
 先日、竹中平蔵『闘う経済学』を読み終えました。感想は「小泉政権の閣僚だった自分の業績を強調する一方、自らの経済学的批判については正面から答える気が見えない」という予想以上につまらない内容。
 この本を読んでいて一番驚いたのは、竹中氏が不況の原因を不良債権構造問題説と考え、いわゆる竹中プランが景気回復に有効であったと主張したことです。はっきり言って、あまりにも厚顔無恥ぶりに呆れました。
 野口旭・田中秀臣『構造改革論の誤解』(2001年:竹中氏が金融担当大臣就任の前年)で書いあるように、リフレ派の経済学者は、「不良債権は不況の結果であり、原因ではない」 という主張をしていた。さらに竹中プランのように「不良債権を解消しない銀行は国有化すると圧力をかける行為が、銀行の貸し渋りを誘発し逆に景気回復を妨げる」ことは目にみえていたのである。竹中氏は経済学者を称しながらこの件に関しては経済学者の主張を評価しない。
 「この(竹中プラン)ようなアイデアを出したのが、学者でもなければ評論家やジャーナリストではなかった。もちろん官僚でもないし、政治家でもない。志をもって、きっちりと経済学や経営学を勉強している実務家だった。」(括弧又は強調引用者、P113~114)と強がる。竹中プランの中心人物だった木村剛氏の著作を見れば、経済学をまともに理解しているとは到底思えない。彼の著書『キャピタル・フライト 円が日本を見棄てる』を読めば分かるように、予想をほぼ全て外している(笑)。また日本振興銀行創立後の内紛を抑えられなかったなど考えれば経営学や実務の経営者としても優秀とは言い難い(笑)。日本経済が運が良かったのが外需や好調だったり、福井前総裁による金融緩和によって景気が回復したことによる。竹中氏は、自分の実績にならない外需や日銀の金融緩和の影響を当然無視している。
 リフレ派は1930年代のデフレの経験から「竹中プランのような勇ましい清算主義が不況が深まることによって挫折し、個別企業を救済することになる」と予想していた。小泉政権下でも、竹中プランが不況が深まる中、りそな銀行救済という形で挫折し、企業再生機構による大企業救済と歴史を歩んだ。竹中氏は「経済学基本的な考えはとても役立つ」(強調引用者P284)という意見は大賛成だ。なんたって竹中氏や木村氏等竹中プランのメンバーがいかに真摯に議論しようと、マクロ的には無駄な努力であることが最初から分かっていたからである(笑)。

 多分、続く。


スポンサーサイト
 
 
 
 
 
 
プロフィール
 

百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
天気予報
 
 
 
 
 
 
 
コスプレ時計コスタイム
 
 
 
 
 
 
 
カレンダー(月別)
 
05 ≪│2008/06│≫ 07
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
過去ログ v Co リバース
 

Plug-in byまる。hi

 
 
 
 
 
 
CATEGORY+PC
 
 
 
 
 
 
 
リンク Twitter関連
 
 
 
 
 
 
 
リンク 経済関係
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブログ検索
 
 
 
 
 
 
 
当ブログのバナー