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納得できぬ『資本開国論』の提言

 
 前回、野口悠紀雄のグローバルデフレ論の分析を「時代遅れの考え」と切り捨てたが、分析の後の提言も私には納得できない。
 清算主義者の野口氏は、マクロ経済政策を否定し、産業構造の改革を主張する。産業構造の改革が不況脱出の手段にならない。不況駄出のための規制緩和や構造改革など「平岩リポート」以降10年以上行ってきたのに不況回復にはほとんど役に立たなかった(この文章は野口氏が金融政策に関して批判した内容を流用したものです(笑))。
 野口氏が大好きな歴史的なIT革命であってもIT関連企業のバブルのみで日本経済全体の回復にはほど遠かった。その一方、野口氏の言うように円高防止目的の金融緩和が行われると、特に産業構造の変化がないのにかかわらず、デフレ脱却目前や微少ながらも景気回復が持続した。これらの現状を野口氏の主張では説明できない。
 そもそも、邪魔な規制がなければ収益性の高い産業に企業は参入する。野口氏はここ数年Googleを賞賛しているが、そのGoogleもいろいろな分野に参入している。収益性の高い分野に経営資源を集中させ時価を上昇させるのがアメリカ流経営だと思うが、多くの分野に参入する理由は検索事業の次の成長分野が何であるか迷っているからだろう。収益性の高いビジネスを探し出し成功させることは簡単ではない。Googleを無批判に賞賛し続けることは、野口氏にその意図がなくても以前批判した「国内検索サイトを官民共同で開発する」という猿まね発想の支持者を増やすことになる。

 最後にタイトルである「資本開国」についてである。私は、その企業が発展する目的で株式を所有すれば国内だろうが海外だろうが気にしない。資本開国は大いに結構である。ただ「株式を上場している企業とその従業員が日本国内のごくわずかである」ことを野口氏は完全に忘却している。上場企業の多くが最高利益になっても、個人や中小企業にその恩恵をほとん受けないのが悲しい現状である。私の結論は、野口氏の言うような資本開国しようが日本全体の回復にはほとんど役に立たない。経済理論や失われた15年の経験からしても、金融政策が日本の不況脱出には一番有効である

 経済の専門家なら野口氏がトンデモ経済論者なのは以前から分かっているはずだ。どうして専門家が投票する2007年ベスト経済書で多くの票を集めるのだろうか。不思議でならない。


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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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