やっぱり改心していなかった辛坊治郎氏

 
 辛坊治郎氏といえば、テレビ番組で上念司氏と議論して「リフレ派が正しいと認めざるを得ない」という発言が放送されていたが、やはり辛坊氏は改心しなかったようだ。それは、今日発売の「FLASH」で掲載されている「辛坊治郎のニュース食い倒れ! 第37回 貿易収支の赤字転落は日本破滅の序章である」です。経済学が分かっている人だと、タイトルだけでトンデモと分かる内容です(笑)。

 「ついに日本の貿易収支が赤字に転落してしまったのです。(中略)貿易赤字が続くと何が起きるか?日本は原油が出る国などと違って、働いてモノ(農産物やサービスを含めて)作ることしか本質的な富を生み出すことができません。」(P22)。これは典型的な重商主義ですね(笑)。そもそも貿易黒字や赤字が諸外国との競争によって決まるという発想自体が間違ってます。そうであったら、アメリカが貿易赤字が何十年も続くことは考えられませんし、高度成長期の日本が貿易赤字基調であるはずがありません。要するに辛坊氏は外国の比較や過去の歴史を調らべずに適当に発言しているにすぎません。辛坊氏は、恐らく貯蓄・投資バランス論は知らないでしょう。さらに1年の貿易赤字で大騒ぎしているので、Jカーブ効果も知らないでしょう。今の貿易赤字の状況が今後も続くかどうかはまだ分からないのです。まあ、私は今の日本で海外投資が増え続けて貿易赤字、すなわち資本黒字が続くとは思えないのですか・・・。

 その後、「最近、経済知識の乏しい一部政治家が宗教のように信じている経済理論があります。」(P22)という文章には唖然。辛坊氏に言われてもね・・・。あなた程度の知識で経済知識が乏しいかどうか分かるわけないだろう(爆)。そういうならリフレ派を支持する国会議員の方と討論されたらいかかでしょうか。勝負はやる前に見えてますけどね(笑)。

それは、「日本は絶対に破綻しない」というものです」(P22~23)って、名指しは避けてますが、上念氏の本じゃないですか。 上念氏の「政府は赤字だが、国が黒字だから大丈夫」だが、「貿易赤字が続いて経常赤字に転落する(引用者注:なんか国際収支上の経常赤字を理解してないような気がする)と、それはすなわち「政府は赤字だけ、国は黒字」という構造が崩れるという意味です。安心できませんね。」(P23)らしい。そうなると政府と国の赤字を30年近く続けているアメリカは破綻寸前になるけどそれは大丈夫ですか(笑)?まあ、アメリカは超大国だしドルは国際通貨だと、逃げるでしょうが、変な理屈です。

 一番ウケたのが、国も政府の赤字な「ギリシャは破綻しませんし、イタリヤの国際が暴落することはありません。(中略)それは、ギリシャがとんでもない「資産家だからです」。パルテノン神殿は言うに及ばす、そこから発掘された大理石像一つにいくら値がつくと思いますか。(中略)じつはギリシャもイタリヤも国全体が宝の山なんですね。」(P23)それ言ったら、日本だって奈良や鎌倉の大仏や法隆寺、そして京都の三十三間堂に仏像が沢山あり、歴史的な資産がいっぱいあるじゃないか(爆)。そうなると日本も破綻しないとことなるけど、大丈夫ですか?

 他にもあるけど、疲れたのでこの程度でやめます。辛坊氏は「日本は絶対に破綻しない」と批判してますが、「日本が破綻する」という指摘は過去15年間ハズレ続け、狼少年状態が続いています。この点に関しても辛抱氏に是非聞いてみたいですね。

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藻谷氏名誉毀損賠償判決に関する感想

 
 これも私の備忘記録として、書いておきます。
 ブログ書き込みで名誉毀損 「デフレの正体」の藻谷氏に賠償命令

 札幌市の男性がブログに侮辱的なコメントを書き込まれたとして、「デフレの正体」の著者で、日本政策投資銀行地域振興グループ参事役の藻谷浩介氏(47)に60万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、札幌地裁であり、石橋俊一裁判官は10万円の支払いを命じた。
 男性がブログ上で「デフレの正体」を批評したことに対する藻谷氏の「早く死んで子供に財産を残せ」とした反論コメントが、名誉毀損に当たるかどうかが争われた。
 判決理由で石橋裁判官は「コメントは学問上の論評を超え、ことさら男性を侮辱するもので不法行為を成立する」と指摘。藻谷氏側の「経済学的な論争で、名誉を傷つけられたことへの反論」とした主張を退けた。
記事
 判決に関しては、心から歓迎したい。たとえ、経済学的批判がなされていても、藻谷氏が「早く死んで子供に財産を残せ」といった論理とは関係ない人格批判が公的に認められてはならないからだ。

 そもそも、「私は無精者で、経済書やビジネス書は本当に数冊しか読んだことがない」(『デフレの正体』P125」)と経済学の本をほとんど読んでないことを自ら認めている藻谷氏が「経済学的論争」ができるとは到底思えないし、たとえできるとしたら論理矛盾である(笑)。
 藻谷氏は『デフレの正体』を批判する経済学者およびその支持者、そしてマクロ経済学を「Voice」などで批判している。だが「いくら経済学者とその支持者、そして経済学を批判しても、経済学者や経済学が間違っていることを証明するだけで(ろくに経済学の勉強してないはずなのに、まともに批判できると考える理由がよく分からないが(笑))、藻谷氏の論理矛盾や事実誤認が解消することは決してない」ことを忘れてはならい。
 労働人口減少が、デフレと関係ないことは、統計上国際比較で既に明らかになっている。そして日本だけ人口減少によりデフレになる日本独自の理由は『デフレの正体』のどこにも書かれていない。人口減少によりデフレになる論理もよく分からない。「労働力人口が減少すれば、人手不足になり、賃金が上昇し、それが製品価格に転嫁されることで製品の価格が上昇する。だからインフレになる。」と金融政策の影響を無視する足し算のエコノミストでの考え方でも労働人口不足はイうンフレ要因になることは明白だ。当然、相対価格でも価格上昇要因にしかならない。実際は、物価の変動は金融政策の影響が一番大きいことが統計上も確認されている。 
 岩田規久男教授も藻谷論理を「真ん中の因果関係を省略すると「定年退職者の就業が減るから、定年退職者の就業が減る」というトートロジー(同語反復)にしかなっておらず、因果関係を示したことならない。(「ベストセラー『デフレの正体』の誤り」「別冊宝島第1803号 日銀の大罪」、P84~85)、と藻谷氏の論理矛盾を批判しているが、当然であろう。

 藻谷氏は、人を罵倒する前に、自説に関する批判に真摯に向き合って撤回するなどの対応すれば、こんなことにならなかっただろうに・・・、と思ってしまう。しかし、今回の判決は、今後の藻谷氏の仕事のことを考えると非常に高い授業料だったと言えるでしょう。

 
 
 
 
 
 

「Go Live wire:震災増税2011:日本経済は二度死ぬ」の動画を視聴する

 
 先週土曜日(23日)に、田中秀臣・上念司・高橋洋一の3氏によるトークイベントが開催されました。私は前回は参加しましたが、今回は仕事で参加できませんでした。前回は私の見苦しい顔をネットに公開してしまい申し訳ないことをしましたが、今回はそういった心配はありません。

 前回は生での鑑賞、今回は動画視聴のみ、という違いもありましたが、無駄話も含めた面白さでは前回の方が面白かったと思っています。それでもテレビや著作では絶対に放送されたり書けない裏話(「与謝野氏がどうマスコミに好印象を持ってもらえるか」とか財務官僚はどう「御用学者」を養成?するか、など)があるので、視聴しないのはもったいないですね。しかも動画視聴はタダなので、ちょっと長いけど視聴しないのは損です。ということで、URLはこちら(その1その2)です。

 なんか、どっかの回し者のように思われますが、違います。世の中には、御用一般人ではありませんが(爆)勝手に宣伝する物好きもいるんですよ。

 
 
 
 
 
 

通貨に関して分かってないと認める人が書く通貨を語るトンデモ本

 
 私はかねてから、浜矩子女史の「1ドル50円時代」の根拠が知りたくて『「通貨」を知れば世界が読める』を購入。内容は期待してなかったが、ひどすぎる。

 はっきり言ってこの本を読む限り「1ドル50円時代」が到来する具体的な根拠は書かれていない。「著者がそう思っているから」という以上書けないのだ。もしかしたら『1ドル50時代を生き抜く日本経済』には書いてあるかも知れないが・・・。しかし、本の副題までなっている「1ドル50円時代」の根拠がないのはすごすぎる。

 予想どおり著者がまともな通貨理論を語ることはない。引用してみよう。
 そもそもなぜ通貨が高くなったり安くなったりするのか?
 一番単純な答えは、「その通貨を持つ国の力」となるだろう。
(P28)
 素人同様単純な考えですね(爆)。では国の力とは何か?
 国力とは何か、という定義は厄介だが、経済学的に発展しており、破綻する心配がない国の通貨の方が、赤字だらけで経済も低迷しているような国の通貨よりも高く評価されるのは理の当然だ。(P42)
 その考え経済学的に間違ってますけど・・・。貨幣の価値が、需要と供給などの経済理論で決まらず、人々の思っている経済イメージで決まると主張するなら「私は経済学者じゃない」と宣言しているようなものですけど、大丈夫ですか?引用を続けよう。
 いや、正確には「かつてそうであった」と言うべきかも知れない。
 なせなら、こういった単純な理屈で説明できない事態が世界中に進行しているからだ。複雑化してしまった国際関係において、様々な思惑が「あるべき場所」に落ち着くことを妨げているのだ。
(P43)
 事態が説明できないのに、著者は自分の考えが根本的に間違っているという発想はないようだ。例えば岩田先生の『デフレと超円高』読めばこういった誤解解けるのに・・・。というか、この本新書であるにしても、巻末にも参考文献一覧すらない。歴史の出来事などを説明する写真はあるが、1つの図すらない。田中先生・上念氏の『震災恐慌!』のような緊急出版の対談本ですら図があるのだが、これでは「著者の思いつくまま書いた」と批判されても仕方がない。

 そもそも「震災後に円高になったのが、今までの概念を変えるような出来事」と本書に書いてあるが、震災前から日本経済が低迷していても円高傾向だった訳で、「今更何を言ってるだ?」という印象しか残らない。
 国際競争力なるもので通貨のことを書く本はいくらでもあるだろう。だが、自分の思っている通貨に関する主張が現実に通用しないことを分かっていながら、『「通貨」が分かれば世界が読める」という本を書く神経が私には理解できないのだ。なにしろ著者自身が世界を読めていないのだから・・・・。 

 
 
 
 
 
 

Live Wire「『震災恐慌!』出版発売記念トーク」に参加?する

 
 昨日夜行われた「Live Wire #014 6/5 『震災恐慌!』出版 発売記念トーク 田中秀臣、上念司&高橋洋一」に参加?しました。参加?と書いたのは、会場にいましたが、発言をせずに腹が痛くなるほど、ただ笑っていたからです(笑)。

 参加する?までは焦りましたね。予約したので時間ギリギリに来たのですが、会場が分からず店の前を二回通過しました。だって普通のバーと区別つかないだもん。店内に入ると、予約の確認とワンドリンクを頼みドリンクを受け取ってから、店内の席に座りました。前に座ったので、後ほど録画版を確認したらネットに顔出しデビューしてしまいました。変な顔お目にかけて本当に恥ずかしい。

 動画見て頂けば分かるようにトークショーは、真面目な話と、ウケ狙いのネタと、この状況で増税を主張するトンデモさん批判によって爆笑の連続。ただ経済に詳しくないとなんで分かっているか分からないような気もしますが、それは仕方がないですね。
 内容が公開すると詳しく書く必要がないので、やめました。

 トークショーが終わった後、本の即売会があったのですが、既に購入済なのでやめました。著者にサインしてもらうと、捨てにくくなりますし(ウソです)。田中先生が過去の著作を無料で配布したのですが、確認したら全部持っていたので貰ってきませんでした(笑)。田中先生の一般向けの経済書は、ほぼ持っているので。明日仕事があったので、さっさと帰宅しました。外は大雨でしたね。

 ということで、疲労と寝不足のため、今日はひどく疲れました(笑い過ぎもその一因)が、非常に有意義な時間でした。こういったイベントは、また参加したいですね。

 
 
 
 
 
 

今だからこそ必要な提言 田中秀臣・上念司『震災恐慌!』

 
 まだ精読してませんが、ブログ全然更新してないので、とりあえず書いておきます。

 書かれている内容に関しては、異議は一切ない。だが、お二人が本気で対談されているので、リフレ派の主張に関する基礎知識がないと理解するのは大変だろう。ということで、一般的にはちょっと敷居が高いと思っている。まずはリフレ派の入門書(結構あるのでちょっと思いつかないが)を読んでから、震災の経済政策という応用として本書を読めば理解しやすいのではないかと思っている。

 その一方、著者達はTwitter等で積極的に情報を発信しておられるので、著者達がフォローして常時ツイートを読んでいる方は「もう知っている話」と思っている人も多いだろう。

 だが、Twitterの性格上ツイートを長期間保持するのに向かない。そしてネットに接続出来ない人は、Twitterやブログ等からの情報収集ができない。そして今説得をしなくてはいけないのは、有権者数として多く、かつ積極的に投票するのは、中高年の方だ。情報の長期保存とネットが得意でない人々が多い中高年を説得するには、書籍化はいい手段だろう。

 この本がどれだけ社会に影響を与えるのか私には分からない。だが何もしなければ、煽りではなく本書に書かれる「震災恐慌」は現実になりそうなのは、間違いないだろう。そうならないことを祈るばかりである。

 なんか書評っぱくなくなってしまったが、文章力の弱い私にはいつものことですね・・・。と、オチがなく文章を終える。

 
 
 
 
 
 

辛坊治郎・辛坊正記『日本経済の不都合な真実』を読んでがっかりする

 
 辛坊治郎・辛坊正記『日本経済の不都合な真実』を読んでみました。辛坊両氏の重要な主張に関しては、岩田規久男教授の『経済学的思考のすすめ』で専門家から批判しているので、わざわざ私が書く必要はありません。ということで、岩田教授の本と重複しない点を書きたいと思います。

 内容は前の著作読んでいるし、ほとんどがどっかで読んだ話ばかりので展開は予想通り。まあ、私も含め経済に関してオリジナルの考えはなかなか思いつかないので仕方ないでしょう。

 著者は、前の著作を出して「そんな批判もあるのか」と驚いたようですね。例えば、アマゾンにある評価の高いレビューで「辛坊さんは、まず簿記の勉強から始めたほうがいいのでは」という批判に対して、「当方(辛坊兄)は日商簿記一級で管理会計のエキスパートです。」(P3、太字及び赤色は原文のママ)と反論しているが、どっちもどっちですね。日商簿記の試験や管理会計業務にマクロのGDPの計算など必要ありませんから、簿記を知っていてもGDPの計算ができる根拠にはなりません。事実、岩田教授からGDPの計算間違っていると指摘されてます(岩田前掲書。P53~57)し(笑)。

 今回、『日本経済の不都合な真実』を読んで驚いたのが、「貨幣についてまるで分かってないな」ということです。著者は、「政府紙幣も国債の日銀引き受けも、経済活動に裏付けのないお金を刷って政府が物を買う政策です」(P65、太字引用者)という理由で批判しています。だが、著者は「政府紙幣、国債の日銀引き受けによって発行される円かどうか別にして、円自体に経済裏付けなどありませんし、想定すらされていない」ことに気がついていないようです。

 もし著者が、「円に経済的価値が必要」だと主張すれば、金本位制などの商品と貨幣をリンクさせる必要があります。ドルペッグのように他の通貨と一定の交換比率を保つ手段もある(もちろんドルにも経済学的な裏付けはありません)でしょうが、金融政策の独立性を失うことになるので、ギリシャ同様財政赤字が多い日本では困る場合が出てくるでしょうね。日銀が普通に発行されている円が経済的裏付けがあり、政府紙幣や日銀引き受けによって発行された円が経済的裏付けがないとしか私には理解できないのですが、そうなる理由を是非ともお聞きしたいものです(笑)。
 こんな非論理的な理由で専門家でない著者が、金融政策を批判されては非常に困ります。

 他に書きたいこともありますが、今回はこの程度でやめときます。

 
 
 
 
 
 

具体例があるから分かりやすい、岩田規久男『経済学的思考のすすめ』

 
 今月発売された岩田規久男教授の『経済学的思考のすすめ』を読んでみた。岩田教授の経済学入門書は定評があるが、今回もスラスラ読めた。

 本書の特徴は、辛坊治郎・辛坊正記『日本経済の真実―ある日、この国は破産します 』で書かれているシロウト経済学による「経済学を知らない人が陥るよくある誤解」を具体例に挙げながら経済学による正しい説明していくことだ。「こういう間違いに陥らないよう経済学を学ぶ必要がある」ことが痛感した。私も人ごとではないからだ。

 ここまで徹底的かつ痛烈に批判されると辛坊兄弟にとっては、気の毒にも思えるが、あれほどひどい本を出版してしまったのは自らの責任である。まあ、私も辛坊兄弟の内容のひどさに呆れてしまい、このブログで「久々に笑わせてくれたトンデモ本」というタイトルの書評を書いてしまった。

 「今までの経済学入門書だと毒がない」と思われる方には、お勧めの本になるだろう。

 
 
 
 
 
 
プロフィール
 

百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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