藻谷氏名誉毀損賠償判決に関する感想

 
 これも私の備忘記録として、書いておきます。
 ブログ書き込みで名誉毀損 「デフレの正体」の藻谷氏に賠償命令

 札幌市の男性がブログに侮辱的なコメントを書き込まれたとして、「デフレの正体」の著者で、日本政策投資銀行地域振興グループ参事役の藻谷浩介氏(47)に60万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、札幌地裁であり、石橋俊一裁判官は10万円の支払いを命じた。
 男性がブログ上で「デフレの正体」を批評したことに対する藻谷氏の「早く死んで子供に財産を残せ」とした反論コメントが、名誉毀損に当たるかどうかが争われた。
 判決理由で石橋裁判官は「コメントは学問上の論評を超え、ことさら男性を侮辱するもので不法行為を成立する」と指摘。藻谷氏側の「経済学的な論争で、名誉を傷つけられたことへの反論」とした主張を退けた。
記事
 判決に関しては、心から歓迎したい。たとえ、経済学的批判がなされていても、藻谷氏が「早く死んで子供に財産を残せ」といった論理とは関係ない人格批判が公的に認められてはならないからだ。

 そもそも、「私は無精者で、経済書やビジネス書は本当に数冊しか読んだことがない」(『デフレの正体』P125」)と経済学の本をほとんど読んでないことを自ら認めている藻谷氏が「経済学的論争」ができるとは到底思えないし、たとえできるとしたら論理矛盾である(笑)。
 藻谷氏は『デフレの正体』を批判する経済学者およびその支持者、そしてマクロ経済学を「Voice」などで批判している。だが「いくら経済学者とその支持者、そして経済学を批判しても、経済学者や経済学が間違っていることを証明するだけで(ろくに経済学の勉強してないはずなのに、まともに批判できると考える理由がよく分からないが(笑))、藻谷氏の論理矛盾や事実誤認が解消することは決してない」ことを忘れてはならい。
 労働人口減少が、デフレと関係ないことは、統計上国際比較で既に明らかになっている。そして日本だけ人口減少によりデフレになる日本独自の理由は『デフレの正体』のどこにも書かれていない。人口減少によりデフレになる論理もよく分からない。「労働力人口が減少すれば、人手不足になり、賃金が上昇し、それが製品価格に転嫁されることで製品の価格が上昇する。だからインフレになる。」と金融政策の影響を無視する足し算のエコノミストでの考え方でも労働人口不足はイうンフレ要因になることは明白だ。当然、相対価格でも価格上昇要因にしかならない。実際は、物価の変動は金融政策の影響が一番大きいことが統計上も確認されている。 
 岩田規久男教授も藻谷論理を「真ん中の因果関係を省略すると「定年退職者の就業が減るから、定年退職者の就業が減る」というトートロジー(同語反復)にしかなっておらず、因果関係を示したことならない。(「ベストセラー『デフレの正体』の誤り」「別冊宝島第1803号 日銀の大罪」、P84~85)、と藻谷氏の論理矛盾を批判しているが、当然であろう。

 藻谷氏は、人を罵倒する前に、自説に関する批判に真摯に向き合って撤回するなどの対応すれば、こんなことにならなかっただろうに・・・、と思ってしまう。しかし、今回の判決は、今後の藻谷氏の仕事のことを考えると非常に高い授業料だったと言えるでしょう。

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「Go Live wire:震災増税2011:日本経済は二度死ぬ」の動画を視聴する

 
 先週土曜日(23日)に、田中秀臣・上念司・高橋洋一の3氏によるトークイベントが開催されました。私は前回は参加しましたが、今回は仕事で参加できませんでした。前回は私の見苦しい顔をネットに公開してしまい申し訳ないことをしましたが、今回はそういった心配はありません。

 前回は生での鑑賞、今回は動画視聴のみ、という違いもありましたが、無駄話も含めた面白さでは前回の方が面白かったと思っています。それでもテレビや著作では絶対に放送されたり書けない裏話(「与謝野氏がどうマスコミに好印象を持ってもらえるか」とか財務官僚はどう「御用学者」を養成?するか、など)があるので、視聴しないのはもったいないですね。しかも動画視聴はタダなので、ちょっと長いけど視聴しないのは損です。ということで、URLはこちら(その1その2)です。

 なんか、どっかの回し者のように思われますが、違います。世の中には、御用一般人ではありませんが(爆)勝手に宣伝する物好きもいるんですよ。

 
 
 
 
 
 

Live Wire「『震災恐慌!』出版発売記念トーク」に参加?する

 
 昨日夜行われた「Live Wire #014 6/5 『震災恐慌!』出版 発売記念トーク 田中秀臣、上念司&高橋洋一」に参加?しました。参加?と書いたのは、会場にいましたが、発言をせずに腹が痛くなるほど、ただ笑っていたからです(笑)。

 参加する?までは焦りましたね。予約したので時間ギリギリに来たのですが、会場が分からず店の前を二回通過しました。だって普通のバーと区別つかないだもん。店内に入ると、予約の確認とワンドリンクを頼みドリンクを受け取ってから、店内の席に座りました。前に座ったので、後ほど録画版を確認したらネットに顔出しデビューしてしまいました。変な顔お目にかけて本当に恥ずかしい。

 動画見て頂けば分かるようにトークショーは、真面目な話と、ウケ狙いのネタと、この状況で増税を主張するトンデモさん批判によって爆笑の連続。ただ経済に詳しくないとなんで分かっているか分からないような気もしますが、それは仕方がないですね。
 内容が公開すると詳しく書く必要がないので、やめました。

 トークショーが終わった後、本の即売会があったのですが、既に購入済なのでやめました。著者にサインしてもらうと、捨てにくくなりますし(ウソです)。田中先生が過去の著作を無料で配布したのですが、確認したら全部持っていたので貰ってきませんでした(笑)。田中先生の一般向けの経済書は、ほぼ持っているので。明日仕事があったので、さっさと帰宅しました。外は大雨でしたね。

 ということで、疲労と寝不足のため、今日はひどく疲れました(笑い過ぎもその一因)が、非常に有意義な時間でした。こういったイベントは、また参加したいですね。

 
 
 
 
 
 

池上彰氏の全レギュラー番組降板を残念に思わない

 
 池上彰氏が全てのレギュラー番組を降板するという。

 このブログに限っては「残念だ」とは書きません(笑)。なぜなら、過去このブログに書いたように「池上彰氏の経済解説が日銀応援団であり、金融(特に金融政策)では日銀の都合の良い間違った解説に終始する」からだ。日銀と直接関係なくても、藻谷氏の『デフレの正体』を絶賛したように、池上氏自身の経済認識は落第点である。

 世の中には、さわやかで誠実な解説から「池上氏の解説はすべて正しい」と思っている人から困ってしまう。こういったトンデモ解説がテレビに流れなくなるだけでも、池上氏の降板は歓迎すべき出来事になろう。

 池上氏は今後執筆活動に専念するようだが、どうなるのであろうか。今、彼の本が売れているのは池上氏がテレビに出続けているからであり、忘れ去れれば本の売り上げが減るのは間違いない。それに池上氏自身に報道以外の専門分野があるわけでもなく、本物の専門家に勝てる訳がない。私は、日銀養護本『日銀を知れば経済がわかる』しか読んでないが、経済学者の日銀批判本の方が内容は分かっていたにもかかわらず数倍面白かった。

 池上氏には、今後テレビに出ないで地道に頑張って欲しいものである。だが、分からないなら経済に手を出したり、日銀応援団をやるのはいい加減辞めて欲しい。

 
 
 
 
 
 

深田和範『マネジメント信仰が会社を滅ぼす』を読んでみる。

 
 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』が、アニメ化・実写映画化されるなど、昨年はマネジメントブームだそうだ。このアニメ化・映画化によって今年もブームが続きそうだ。ただ、私はドラッカーを学者と認めていないし、天の邪鬼だからこういったブームに関していいイメージを持っていない。

 そんな時に、深田和範『マネジメント信仰が会社を滅ぼす』新潮新書、2010の新聞広告を見たので、今年購入してみた。
 タイトルで誤解してしまう人もしれないが、本書はマネジメント自体を否定しているのではない。本書で定義するマネジメントは、「事業をうまく運営こと」(P19)であり、実際に「何かの事業を行うこと」(P19)のビジネスをサポートする役割であると主張する。そしてマネジメント信仰は、ビジネスの従たるマネジメントが主従逆転しており、マネジメントの弊害によってビジネスがうまく行かなくなり、業績が悪化することになる。
 本書は、このマネジメント信仰のパターン化し、その例を挙げることによって、行き過ぎたマネジメント信仰がいかにビジネスによって有害かを説明している。非常に読みやすいので、非常にお勧めできる。

 ただし、マクロ経済をある程度知っている私には不満な点がある。それは、起業の停滞や若者の保守化の件に関してである。
 起業が停滞しているのは、日本経済が停滞して続けているからである。これは、大企業信仰が今よりも強いと考えられ、政府や民間による企業支援が行われていない80代以前に比べると開業率は低迷していることを筆者は知らないのだろうか?
 若者が保守化しているのは、就職活動でも言えるが、「一度失敗すると後がない」と意識しながら育ってきたからである。「デフレしか知らない」という育ってきた環境が全然違うという意識がないのだろう。
 まあ経営コンサルタントの筆者からすれば、社会も悪いとは企業にアドバイスできないし、したところであまり意味がないだろうけど(笑)。

 これらの点を除けば、あくまでもマネジメントは事業をうまく行くようにする手段であり、企業の目的ではないのは確かです。「今までこういった本が今まで私が知らなかったのが不思議だな」と思いましたが、私が経営書に興味がないからでしょう。多分。

 
 
 
 
 
 

新年早々、池田信夫氏はなにやってるだ?

 
 元旦の朝起きてTwitterのTL読んでいたら、「朝まで生テレビ」で池田信夫氏が、自分の意見が聞き入れないから怒鳴りまくったらしい。私もその一部を流失した動画を見たが、あれは確かにひどかった。

 こんなことをすると、ネットに流れるのはNHK出身でネットの達人である池田氏は分かっているはず。自分の感情が抑えられなかっただね(苦笑)。

 朝まで生テレビ後に更新されたブログ記事を読むと、反論の証拠として載せられているグラブが、消費者物価指数ですらなく、企業物価指数でした(笑)。今年も嘘によるメガティブ攻撃全開ですね。動画でも、勝間女史に「コアコアCPIじゃないと物価指数として適切じゃない」と指摘されていたのにね。

 地上波でこのような行動が流れれば、所属する上武大学の教授会で問題になっても不思議ではないだろう。それで大学辞めることになっても自己責任。私は一切同情しません。

 箱根往路も最下位でしたし、上武大学にとって今年はいいスタートは切れなかったようです。本当は、駅伝ももう少し上位にいて欲しいのですが。でも往路新記録で優勝した東洋大とのタイム差考えると、相当実力はあるが、他の大学がそれ以上ということなのでしょう。今日の駅伝も上武大には頑張って貰いたいところです。

 
 
 
 
 
 

思いつくことは、皆同じのようで・・・。

 
 ネットの影響により最近余り熱心に見ない新聞を読んでいたら「週刊プレイボーイ」に「「デフレ壊滅」には20代の給料をあげろ」という記事を見つけました。「以前ブログに書いた某氏の影響だろう」と思って購入してみましたが、どうやら違うようでした。

 金子勝氏らの意見を参考するなら、トンデモない考えになっても何ら不思議ではない。例えば、「日本はバブル経済崩壊後、債務処理に失敗し、莫大な借金と遊休資産を抱えてしまった。」って、そんな昔話されても困ります。バブル崩壊後の不良債権処理は1997年頃までに終了してますし、バブル以前に使っていた遊休資産をいまだに放置しているような企業はないでしょう。生産設備ならすでに陳腐化したり機械的寿命がきて廃棄されてるでしょうし。金子先生、今の学部生の大部分はバブルを知らない平成生まれですよ。分かってます?
 「そこにアメリカの圧力で国際会計基準が導入され始め、企業は株価維持のため、利潤を最大化して内部留保を積み上げなければならなかった。」企業が株価を維持するために利潤を最大化するのは、国際会計基準を導入する以前からの話です。内部留保を積み上げるって、日本企業って昔から、利益の中から株主配当や役員報酬出してのでしょうか?
 「でも、業績はさっぱり。」デフレで値段が安くなり全体の売り上げが減るのですから、当然でしょう。「それで社員の給料を下げてでも利益の確保に走ったというわけです。これは正しいけど、前提条件が間違いすぎる(爆)。

 記事には、「小泉政権下の景気拡大の時、日本企業はなんと200兆円もの内部留保をため込んだ。仮にそれを吐き出せば、就職状況も大きく変わる。」とあるけど、内部留保は現金や預金の山が貯まっている訳ではない。書いた人ちゃんと会計学勉強して書かないとダメだよ。バカにされるから。

 20代は消費性向が高いので、彼らの給料を上げれば景気が回復し、デフレが脱却できるという「どこかで聞いた話」です。記事には、「らき☆すた」の埼玉県久喜市の旧鷲宮町の例や、K-POPブームで賑わう新宿・大久保界隈を紹介して、20代の消費性向が高いことを主張している。でもその程度でデフレ脱却できれば、苦労ないんだけど・・・。

 「あとは企業の決断だけ。20代若者をたくさん雇い、給料をアップさればいい。そうすれば、若者はどんどん消費する→内需拡大→企業業績アップという好循環が始まる。デフレ経済も、インフレに向かうはずだ。
 この考えが正しいにしても現状では、自社だけ20代の給料を上げても、日本企業全体が上げなければ自社が苦しいだけである。法律で無理矢理、20代の給料を上げることを決めるのだろうか。民主党の公約である最低賃金1,000円すら実現困難なのに・・・・。
 それに「法令なんかクソくらえ、社員の生活が良くなるなど関心がない」というブラック企業の経営者をどう説得するのだろうか。取り締まるのは大変だろう。このように疑問がありすぎる。

 高齢者の声が優先される現状で、若者の声を代弁する記事が出ることはいいことだ。だが、デフレやマクロ経済に関することをきちんと理解してから発言して欲しいものである。インタビューした方の一人に飯田先生がいるのに、なぜデフレやマクロ経済に関して教えて貰わなかったのだろうか?直接教えを請いたい私からすれば、あまりにももったいなさ過ぎる・・・。

 
 
 
 
 
 

藻谷浩介氏と小黒一正氏のすさまじい対談(2)

 
 前回の続きです。

 藻谷説では、生産年齢人口(完全雇用が成立してない状況で、実際に生産している人口で見てないからおかしい。なぜなら失業者を雇うという考えになりずらいからだ)の減少が根本的な原因なのだから、根本的な対策は人口を増やすしかないはずだ。だが、なぜか話は高齢者から若者への再配分の話題ばかりになる。高齢者から若者への再配分に関して私は反対しないが、生産年齢人口人減少よる値崩れやらはそのようなことで対策ができる容易な問題だったのだろうか?それても「何もしないよりまし」という判断なのだろうか(もっと別にやるべきことがあると私は思うが)?私には分からなかった。

 いずれにしろ、タイトル通り「まずは企業が若者の人件費を増やせ」という対策になるらしい。日本全体のパイが縮小しているのに、そんなの簡単じゃないぞ。転職の適応力が低い高齢者を優遇して、適用力や今後の可能性がある若者を冷遇するというのは、短期的には合理的な判断だし、現在のような切羽詰まった状況では、「1年先がどうなるのが分からないのに、10年後なんか考えている余裕ではない」企業は多いだろう。この説得は非常に難しい。
 
 こういった批判が出るのを予想していたのだろうか、小黒氏は、「政治がリーダーシップをとって、世代間の均衡を保つ「世代間公平基本法」のような法律を作ればいい」(P145)という仰天の提案を行う。
 まず技法的な問題として、その世代間の均衡やらをどうやって決めるのだろうか?現在の若者消費離れだって、本当に消費することを嫌っているのか、将来が不明で所得が低いから消費せず消費が嫌っているように見えているのか、を判別するのさえ大変なのだから。
 そして、「若者の方が消費性向が高いので、そちらに強制的に所得を増やします」と納得できる高齢者がどれだけいるのだろうか?若者差別と言われそうだし、「高齢者がもっと消費すればいいのだろう」と反発されるのは間違いない。

 この階段を読んだ感想は、「将来を真剣に心配しているのは分かった。だが、現状認識や対策に関しては、私には全然理解できませんでした」というものです。誰か解説して下さい(苦笑)。

 
 
 
 
 
 
プロフィール
 

百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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