日銀金融政策の記述で分かる「池上彰の正体」

 
 池上彰『日銀を知れば経済が分かる』平凡社新書、2009を購入しました。日銀に関して分かりやすく解説しているいい本ですが、日銀の金融政策に関する記述を読むと池上彰の正体が分かるという面白い本です。

 最初に断言します。「池上彰は経済無知で、ジャーナリスト失格です」。なぜなら「日銀にとって都合のいい主張ばかり書いて、裏を取って正しいかどうか調べない。真実を追究しない典型的な日銀応援団の一人」です。そもそも日銀の実態を知っていれば、批判的に書くしかないのです。日銀批判に関しては、
1)日銀の総裁・副総裁・審議委員は経済や金融の無知な人も就任し、重要な日本の金融政策を決めている。と言いたいが、実は事務方が作った金融政策案に関して賛成か反対かを投票する(実際はほぼ全員賛成)だけで、事実上空洞化している。
(2)日銀の政策決定は、標準的な経済学とかけ離れ、かつ日銀以外が悪くて日銀に責任がない、という都合のいい独自の日銀理論によって決定されている。
(3)日銀による主張や発表は、第二次世界大戦時の大本営発表同様まったく信用できない。例えば「異例」という言葉を好むが、実際は小出しにしてたいして金融緩和をしていない。
(4)日銀理論による、日銀の金融政策は過去20年間失敗だらけである。日銀批判をする人達の経済予測の方がはるかに正確である。

 などが考えられるが、池上本には日銀の都合の悪いこれらの指摘がまったくない(爆)。これは池上氏が「金融政策を知らない」か、「知っていても取材の都合などを考えてあえて目をつぶって日銀応援団になっている」か、のいずれか、あるいは両方だろう。まあ、日銀とは無縁である藻谷氏の『デフレの正体』を絶賛したようだから、池上氏自身が経済無知なのは間違いないだろう。

 こんなことを書いているが、私は池上氏の印象もテレビ番組も結構好きだ。ただし、事実は事実。曲げられない。

 池上氏には、今後「ジャーナリストとして正しい道を歩んで欲しい」と言わざるを得ない。 

スポンサーサイト
 
 
 
 
 
 

高橋教授の皮肉の効いた素晴らしい日銀批判

 
 高橋教授が寄稿された「日銀ゼロ金利の“まやかし”「表現多彩も内容は陳腐」」を読んだが、皮肉たっぷりに書かれており、非常に勉強になる。まずは、この指摘だ。
 「実質ゼロ金利」との表現は、政策決定会合の公表文書に記されているが、役所文書の読み方の一般論としてこうした表現があるときはよくよく注意した方がいい。
 役所文書の読み方として、本文の中の「等」「程度」など一般的には些細(ささい)な表現や、本文よりも注釈や別添に重要なことがしばしば書かれている。マスコミが大ざっぱに本文しか読まないことを官僚(含む日銀官僚)はよく知っているのだ。

 一般人なら騙されるけど、元財務官僚を誤魔化すのは不可能です。やり口一番知っているのだから。今回の実質ゼロ金利の報道に関しても、
 まず、本文では、誘導金利が「0・1%前後」から「0~0・1%程度」に変更されている。役所文書で「前後」や「程度」という場合、5割くらいの許容度がある。つまり、今回の決定では、従来の「0・05%~0・15%」が「0~0・15%」へと変更されたくらいの話だ。これを「実質ゼロ金利」と言い切ってしまうのはややミスリーディングであろう。
 ちなみに、5日の公表文書の脚注2では、「補完当座預金制度の適用金利、固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションの貸付金利および成長基盤強化を支援するために資金供給の貸付利率は、引き続き、0・1%である」と書かれている。
 こうした主要なところを0・1%としているのであるから、実質ゼロではなく、「0・1%が基本だがゼロもありえる」くらいの話だろう。

と評している。読めば読むほど日銀の嘘つきに対して腹が立つ文章だ。まあ、日銀にはさんざん裏切られてきたので、私も日銀の公式見解など全然信用してないが(笑)。さらに35兆円の金融緩和についても、
 35兆円規模の「資産買い入れ等の基金」の創設は、金利の上げ下げではなく、おカネの量的な指標に目標を定める「量的緩和政策」といえばいいものを、それを言いにくいので別の表現になったものだろう。名称はともかく量的緩和と事実上同じなので一定の評価ができる。
 しかし、別添2をみると、「買入資産については、買入れの開始から1年後を目途に…」と書かれている。また、35兆円という数字に目が行くが、実際の増加分を見ると15兆円であり、想定の範囲内だった。
 資産買い入れの規模は5兆円と少ないうえに、そのペースも悠長で、果たして効果が出るのだろうか。戦力の逐次投入の典型的なパターンである。

 しかし日銀には旧日本軍が使っていた言葉が本当に似合う。だって嘘のつき方が大本営発表と大差ないもん(爆)。大本営は、戦場からのインチキ報告に惑わされていて正確な情報をつかめなかったらしいが、現在の日銀はそうではない。こんな日銀一刻も早く破壊されてもらいたいもんだ。
 高橋教授は、最後に
 今回の内容はかなり陳腐であるが、その表現は多彩で予想外だった。表現に反応する株式市場はにぎわっているが、為替市場では逆に円高に振れるなどそれほど反応していないことが、市場が今回の金融緩和をシビアにみている証拠ではないか。
 と結論づけている。

 あまりにも良い文章が多かったので、引用ばかりになってしまった。日銀の実態を知るために高橋教授の文章がもっと多くの人に読まれるように願わずにいられない。

 
 
 
 
 
 

今も昔も日銀は駄目ですね・・・。

 
 先日、2000年1月~6月の日銀政策決定会議の議事録が公開されたが、予想通りひどいらしい。この件に関して昨日高橋洋一嘉悦大教授が「ゼロ金利解除直前の「政策決定会合」議事録から読み解く日銀「失敗の歴史」10年を超えるデフレからなぜ学ばないのか」が公開された。たとえば「速水議長は、金利について、名目と実質の違いがまったくわかっていなかった。」や、「すべての会合で間違い続けた篠塚委員は、デフレの意味がわかっていなかった。デフレ(DEFLATION)とは物価の持続的な下落であり、不況(DEPRESSION)とは違う。」と指摘されているくらいだ。このような素人軍団が、ゼロ金利という前例のない事態に正しい金融政策を行うなど最初から無理な話だ。しかも、唯一分かっている中原審議委員の主張に他の委員は聞く耳を持たないのだから、救いようがない。そしてゼロ金利解除が失敗しても誰も責任を取らない。というか、日銀内部ではゼロ金利解除が失敗ではないようだ。呆れて物も言えない。

 もちろん日銀の悪しき伝統は、白川現総裁に受け継がれている。昨日の国会予算委員会で「白川総裁、不況への日銀の責任を認めず 衆院予算委で」と記事がある。この記事のタイトルは正確ではない。記事を引用すると、「民主党の松原仁予算委筆頭理事が「日銀としてこの不況に責任の一端を感じているか、イエスかノーで答えてほしい」と質問したところ、白川氏は「一言でお答えするにはあまりにも複雑な、難しい問いだ」と述べた。」という。
 要するに、松原議員は、「イエスかノーか」という質問をしているのに、白川総裁は「イエスともノーとも答えていない」のである。「人をバカにしている」という他ないだろう。

 「こんな国民を不幸にさせる伝統はもういらない。一刻も早く日銀法を改正しなければならない」ことを確認した1日だった。

 
 
 
 
 
 

日銀の暴走が止まらぬようで・・・

 
 日銀のトンデモには慣れましたが、この記事を読んだときはさすがに驚きました。
 日銀、環境・エネルギー成長分野に低利資金

 日本銀行は30日、金融政策決定会合を開き、経済成長の基盤強化を促す新たな資金供給策を導入することを決めた。環境・エネルギー関連の研究開発や設備投資などに融資する金融機関に、低利の資金を供給することなどを検討する。
(中略)
 日銀が新たな資金供給策を導入するのは、成長分野の底上げを図るためだ。30日の記者会見で白川方明総裁は、「イノベーション(技術革新)を促進するような研究開発、科学技術の振興、成長分野として期待される環境・エネルギー事業などが対象になる」と述べ、こうした活動を促す金融機関を支援する考えだ。
 6月に新たな成長戦略をまとめる政府と歩調を合わせ、景気回復の加速を目指す狙いとみられる。
 政府だけでなく中央銀行まで成長戦略ですか。くだらぬ政府の成長戦略におつきあいするとは日銀も大変ですね(苦笑)。でも世間の批判をかわすのにも有効だという考えもあるでしょう。
 そもそも環境・エネルギー分野に勤めてる人さえ、どう転ぶか分からないはずのに中央銀行に産業の将来性など分かるはずがない。そんなことは日銀自身がよく分かっているはずですが。本当に有望な産業ならば、日銀がやらずとも低金利の融資や金利のない新株発行も容易であろう。どう考えても、日銀がわざわざ融資する必要がない。

 日銀の「仕事をしているふり」はもうたくさんだ。日銀は諸外国のような経済危機になれば大胆な金融緩和を行う「仕事をする普通の中央銀行」になることを願うばかりである。

 
 
 
 
 
 

事実上「お互いに仕事しているふり」だけの会談

 
 それは、「鳩山首相:脱デフレ、協調確認 日銀総裁と会談」(記事)です。会談などしても、日銀は政府の言うことに従う気がないのは分かりきっている。ということで、事実上政府と日銀が国民に対して「仕事をしている」というアピールだけの会談です。日銀は管副総理がいろいろ注文をつけても、本格的な金融緩和を行う気はありません。そして現政権が金融政策を重視してないのは、営業畑が長いという元東電副社長(はっきり言って金融政策に関しての素人と思われても仕方がない)の日銀審議委員の国会承認をしたことにより明白です。

 いつまでこれら馬鹿げた状況が続くのだろうか・・・。現政権終わって欲しいけど、野党がダメダメだからな(爆)。

 
 
 
 
 
 

政府は日銀審議委員の定員さえ埋まればいいらしい

 
 これは日銀内部の問題でないが、日銀関連の問題としてこのカテゴリで書きます。
 日銀審議委員に森本宜久氏 政策委員会の欠員解消へ

 政府は12日、日銀政策委員会の審議委員に電気事業連合会の森本宜久副会長(東京電力取締役)を起用する人事案を衆参両院の合同代表者会議に提示した。政策委員会は定員9人のうち2人が欠員状態。今月中にも神戸大学経済経営研究所所長の宮尾龍蔵氏も起用される見通しで、国会の同意を得られれば欠員状態が解消される。(記事
 「定員がある以上、定員を満たさなければならない」という政府の立場は理解できる。だが、東京電力元副会長という金融政策に関して何も知らないような人間を日銀最高幹部の1人に任命しようともする政府の考えはどうかしている。菅財務大臣が日銀に金融緩和を要求している一方、私が不勉強なだけかも知れないが金融緩和に関して何を考えているか分からない人を任命しようとするとは・・・。この政権は何事もやっていることが本当にチグハグだ。

 
 
 
 
 
 

日銀による2つスパイラル?

 
 日銀が4月にかけ追加緩和を検討しているようだ(記事)。これは菅財務大臣などの政府側の圧力やデフレによる悪影響により日銀に対する世間の印象が悪くなったからだろう。

 私なんかは「どうせ日銀のアリバイ作りで、本気で金融緩和する気がないだろう。やっても小出しでほどんど効果がないんだろ」としか感じてません。

 「日銀は2つのスパイラルをおこしている」と勝手に思っている。1つは、言うまでもなくデフレスパイラルである。さらに「金融政策に関するもう1つのスパイラル」があるのではないか。それは、日銀が金融緩和の予兆をマスコミに流す→どうせ日銀はたいして金融緩和をしないことを学習しているので市場がほとんど反応しない→市場が反応してないので、さらに金融政策に関して積極的に動かなくなる→さらに日銀は金融政策よりも自らの責任逃れを終始する」というスパライラルも考えられる。まあ、これは何の根拠のない思いつきですが(爆)。

 日銀には、自己保身に終始し、人々を不幸にするスパイラルは一刻も辞めて欲しいのである。

 
 
 
 
 
 

こんな報道何の意味があるのか・・・

 
 昨日新聞やネットで閲覧していたら、「日銀は18日に金融政策決定会合を開き、消費者物価上昇率の「マイナスは許容していない」との異例の声明を発表した。記者会見した白川方明総裁は「日銀がデフレを容認しているという誤解は解いた方がいい」と指摘。」という記事を見つけた。原田泰氏やこのブログのように「消費者物価指数の上方バイアスを考えると物価上昇率0%の事実上デフレターゲットを行っている」という意見は面白くないようだ。

 だが、白川総裁は「何か実質を変えたわけではない」と強調し、「各委員がそれぞれ考える物価安定の理解が変わったとは受け止めていない」と語った。」(記事)総裁自身が認めているようにと、実際には何も変わっていない。あくまでも、日銀はいろいろな場所で事実上のデフレターゲットを行っていると書かれると都合が悪いから、表面上否定したまでにすぎない。
 どうせウソをつくなら「各委員の物価安定の理解が変わりました」って言えばいいのに(笑)。前にも書いたけど、日銀は、本当にウソをつくのが下手です(笑)。本当はウソをついて欲しくはないのですが・・・。

 いまさら日銀を信用してくれと言われても、人のことをさんざん騙したのでもう無理です。日銀が信用してもらいたいなら、総裁自ら今までのウソを告白して辞任すべきだ。

 
 
 
 
 
 
プロフィール
 

百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
天気予報
 
 
 
 
 
 
 
コスプレ時計コスタイム
 
 
 
 
 
 
 
カレンダー(月別)
 
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
過去ログ v Co リバース
 

Plug-in byまる。hi

 
 
 
 
 
 
CATEGORY+PC
 
 
 
 
 
 
 
リンク Twitter関連
 
 
 
 
 
 
 
リンク 経済関係
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ブログ検索
 
 
 
 
 
 
 
当ブログのバナー