読んでいて腹が立ってきた野田佳彦「わが政治哲学」

 
 「Voice」10月号に、野田総理の「わが政治哲学」を読んだ。内容は期待してなかったが、あまりのひどさに腹が立ってきた。その理由をこれから説明します。

 正直に言えば、私は政治家の政治哲学には全く興味がない。なぜなら、いくら立派な哲学をお持ちでも、それを政策として実践できなければ政治家としての存在価値がないからだ。逆に言えば、哲学など一切持っていなくても、多くの国民が豊かになり安心して暮らしていけるようになれば、選挙には勝てるはずなのである。ただ以前に野田総理は「わが政権構想」を公表しているので、それと重複しないように「わが政治哲学」という内容にしたのだろう。その点に関しては理解できる。

 野田氏は「いまの日本に必要なのは、中間層の厚みを増すことだと思う」(P45)と主張する。その点は、私も異議はないが、野田氏のこの主張と前財務大臣の実績、そしてこれから総理大臣としてやろうとしている政策からすれば正反対のことを行っている(行く)としか評価しようがない。なぜなら財務大臣として円高問題に関して「注視する」と言いながらほとんど放置し、円高の根本的な対策である金融緩和に関して何も言わず、アリバイ作りのような為替介入をやっただけなのだ。偉そうなことを言っても、結論は「円高デフレを放置し、中間層の疲弊に対して、なんら手を打っていない」どころか、財務大臣としてろくな震災復興の補正予算をつくらず、震災による経済ショックが回復する以前に増税して、さらに中間層や低所得者層を疲弊させようとしている、としか言いようがないのである(怒)。

 野田氏は、松下政経塾の一期生として、松下幸之助氏の教えを大切にしている。だが、「松下幸之助さんは、「きびしい経済状況のときこそ、国は大減税して景気を直すべきだ」「国費二〇%削減の大なたを振るった上で、思い切った『救国国債』を発行し、健全経済をつくりあげる大規模な先行投資を行うべきだ」「毎年の余剰金を積み立てて、ゆくゆくはその利子収益の分配だけで税金が不要となるような『無税国家』をめざすべきだ」という、大きな理想を掲げられた。」(P50)と、言いながら、経済状況が変わってしまったが、松下氏の主張と全く逆な事を行っていることに関して何も思わないのだろうか?私が野田氏だったら、恥ずかしくてそんなのわざわざ書かないよ(苦笑)。

 野田氏は、「政権党たるもの、ポピリズムに流されてはいけない。やらなければいけないことは、必ずやり遂げなければならない。たとえ辛いことであっても、切ないことであっても、国民にきちんと説明してりかいしてもらわなければいけない。そして真摯に臨むならば、国民は必ず理解してくれると信じなければいけない。私は、そのような政治をめざすべきだ、と強く思う。」(P53)と主張する。確かにその通りだ。だが、円高対策、震災復興対策などに関して財務大臣時代の野田氏から、国民にきちんと説明しているとは思ったことは私はない。そして「財務大臣として真摯に職務に臨んでいた」とは到底思えない。実際の野田氏は、注視を連発し、円高問題に関して逃げ続けていたという印象しか残っていない。

 野田氏は「翻って、この間の政治の問題とは、一体何であったか。私は、決断すべきときに決断をせず、大事な問題を先送りばかりしてきたことだと思う。」(P47)と書いている。最後に一言だけ、書いてこの記事を終わりにしたい。「お 前 が 言 う な !」。

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ツッコミ所の多い野田佳彦「わが政権構想」 その2 財政問題

 
 前回の続きです。

 野田氏によると、日本最大の危機は、デフレや円高ではなく財政問題らしい。
 「阪神・淡路大震災のときは、財政の問題は生じなかったのに、今何故を思われる方もいるかもしれません。」(P99)と言っているが、これは信用できない。なぜなら阪神・淡路大震災が起きた後の11月に当時の武村大蔵大臣が「財政危機宣言」を行っているからだ。震災の復興予算だけで、急に財政危機が襲ったとは考えにくい。引用を続けると、
 「あれから一六年。借金は、二.五倍に膨れあがっています。もはや、大震災を理由に、財政健全化への取り組みを先送りできません。」(P99)この発言は、財務官僚は賞賛するけど、東北の被災者に対して「財政再建のために復興我慢しろ」と読めるだけどね。それが分からないで発言しているなら政治家失格ですね。

 野田氏は「歳出削減だけに頼って財政を健全化するのは限界です」(P99)と、民主党政権が歳出削減に失敗したことを認めたのは正直だが、その当時の財務大臣や財務副大臣は誰だっけ?

 「経済成長に伴う金利や物価の上昇によって歳出は増加してしまうので、必ずしも財政健全化に結びつきません。内閣府の試算では、名目三%の経済成長が続いても、債務残高のGDP比が増加し続け、財政健全化が達成されない姿が示されてます。」(P99)、とあるが訳が分からない。「物価の上昇を防ぐためにデフレを続けろ」というのか(怒)。デフレの持続により税収が不足し、財政悪化が進んでいることが、まるで理解されていないようだ。「内閣府が名目3%が駄目というなら、名目成長率4%以上を目指してマクロ経済政策を行うべし」と主張すべきだ。そうでないと、いずれ日本の財政は破綻します。逆説的ですが、増税をしたからって、景気が悪化すれば税収が伸びす財政健全化に結びつきません。そもそも消費税が3%から5%に増税しても、法人税や所得税などを含めた税収全体は伸びているどころか、減っているのですから。

 野田氏は財政に関して財務官僚の説明を鵜呑みにせずにもっと勉強したほうがいい。日銀の国債直接引き受けが毎年行われたのをを知らずに恥をかいたのだから(笑)。

 最後に「今、日本の国政に最も求められているのは、危機に際して「やるべき」事を実行することです。」(P95)という。これは正しい指摘だ。だが、円高は注視するという発言ばかりで事実上放置ばかりで、今年度予算等財政再建に対して適切な対応をしているとは思えない野田氏が発言すべきことだろうか。非常に疑問である。

 
 
 
 
 
 

ツッコミ所の多い野田佳彦「わが政権構想」 その1 経済政策

 
 今月号「文藝春秋」に民主党代表を目指す野田佳彦財務大臣の「わが政権構想」が掲載されていたので、購入して読んでみました。予想通りツッコミ所の多い文章です。

 まずはこの発言からいきますか。

 「私は財務大臣として、産業・雇用の空洞化の回避、そして経済の再生に重点を置いて、必要な政策を賢明に勧めてまいりました。」(P95)

 円高に関して「注視する」と言って事実上放置ばかりしている人の発言とは到底思えない(笑)。野田氏は、為替介入を行ったことを自慢しているが、あんなのは一時的なもので日銀に金融緩和をしない限り有効な円高対策にはならないのは証明済みだ。ところが、野田氏の文章には金融緩和とか日銀の文字すら出てこないのだ(爆)。どうやら「なぜ円高になるか」という意味を本当は理解されてないらしい。

 「産業・雇用の空洞化の回避」というが具体的にどのような対策をとっているか、よく知らない。どうやら「総額千四百億円の立地補助金を実行しました。一定の雇用を条件に、エコカーや省エネ製品を製造する企業に対しての支援策です。」(P96)ということだが、そんなもん円高の放置で帳消しになりました。むしろマイナスです(苦笑)。

 そして「民主党政権が昨年作成した「新成長戦略」は、日本の競争力を維持するために今後十年間で実行すべき具体策と工程表が明記されてます。」(P96)と堂々と書いているのに呆れるしかない。新成長戦略の文章は、民主党政権じゃなく経産省の官僚が書いたんでしょう(爆)。じゃないと、自民党の成長戦略そっくりなんてあり得ないよ。そもそも「日本の競争力」とはどうやって定義(数値化)するのかな?定義できない以上、その競争力を保つ施策などやりようがない。

 なんか書いていてお腹が一杯になったので、財政に関してのツッコミが次の機会に書くことにします(笑)。 

 
 
 
 
 
 

一番曖昧な形で終わってしまった内閣不信任案

 
 例によって床屋談義だけど、今回は本気で怒っています。

 民主党の大量造反が報じられていた内閣不信任案は、菅総理の曖昧な辞任表明によって圧倒的多数で否決された。

 震災復興や原発問題に一段落つけば辞任という話らしい。だが辞任の時期も辞任する具体的な条件も語られない辞任表明など何ら意味がない。そのやり方は日銀で散々裏切られているのだ。すでに民主党の幹部や有力者でさえ辞任の条件の統一見解がなされていないのが会見やインタビューで明らかになっている。

  菅総理は、一つの国会で内閣不信任案は一回きりという慣例?を利用して大幅に国会を延長させるだろう。そして、わざと第二次補正予算などを遅らせて、自らの政権延命を図るだろう。そもそも秋まで第二次補正の議論を延期させると報じられている菅政権なのである。なぜか第二次補正の延期をして被災者を見捨てるような行為をするつもりだったこれら行為をマスコミは積極的に報道しなかった。なぜだろうか?

 だが今回の辞任表明で「いつ辞めるんだ?」という野党の攻撃材料を与えることになってしまったのは痛い。野党はますます菅政権打倒を強めるだろう。そして真性ねじれ国会プラス参議院議長を敵に回しての国会運営は展望が見えない。問責決議案も出され審議拒否され、政権運営が出来なくなることは目に見えている。なにせ総理自ら認める死に体内閣なのだから・・・。

 今辞任を回避しても、これから苦しめられて辞任に追い込まれるだけなんだけどね(笑)。

 今回の件で満足したのは、辞任をとりあえず回避した菅総理と民主党分裂を避けられた鳩山前総理くらいだろう。だがその喜びもすぐに終わるのに違いない。結局問題は先送りされただけで何一つ解決せず、民主党分裂の火種はくすぶっているのだから・・・(苦笑)。

 
 
 
 
 
 

震災から2ヶ月 進まぬ復興政策に呆れる・・・。

 
 例によって床屋談義です(笑)。

 本日で震災から2ヶ月経過した。私の住む千葉県内では、節電のため建物内が多少暗くなっている以外は、ほぼ通常の生活に戻っている。ただ、空梅雨で水力発電に使う水がすくなくなるとか、真夏の最高気温がどれだけ上がるかの不安定要素が多いので、夏に電力不足になるかどうかは、私には分からない。計画停電にならないことを祈るが・・・。

 しかし復興政策が遅れていることに呆れるしかない、というのが現状だ。この2ヶ月で復興政策が決まったのは、たった4兆円規模の第一次補正予算だけだ。しかも「首相、2次補正の提出時期「白紙」」だそうだ。これだと被災地の復興を放置していると言われても仕方がないだろう。

 しかも今年度の公債特例法が成立していない以上、今年度の赤字国債新規発行ができず、通常予算の約6割の調達手段ができない状況であることを忘れてはいけない。このまま公債特例法が成立しないと、国庫の資金ショートがおきないかどうか、気になって仕方がない。そして真性ねじれ国会の状況で、マニフェスト維持のため野党との妥協が出来ない与党の国会運営は評価できないというしかない。しかも岩手・宮城・福島県の状況を考えれば、解散総選挙は無理だろう。ますます袋小路の状況は強まっている。
 自民と民主の連立をしたにしても、この状況での増税大連合になりそうだし(苦笑)。

 本当に今後の政治に期待できない状況になっている・・・。

 
 
 
 
 
 

高橋洋一『官愚の国』を読んでみた

 
 日曜日に高橋洋一『官愚の国』を購入したので、ざっと読んでみました。

 本を読むと著者が公務員試験の試験委員の経験があったとか、財務省は、財務省外の人事院や総務省に出向して、本来の公務員給料を管理してだけでなく、人事院で各省の人員管理、総務省で全体の公務員数まで管理しているとは全然知らなかった。その原因が、旧内務省の解体と、旧大蔵省がGHQの追求をのらりくらりと逃げながら権益を確保したなど、興味深い話が多い。もちろん、『さらば財務省』等過去の著作にも書いてある話も多かったが。

          、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 そして著者は「官僚はたいした能力が求められていない」(P25:傍点原文のママ)と断言する。それは、「何かの問題を与えられてきたときは、あらかじめ学習したことならきちんと答えられる、その能力だけを問うている。ということは、官僚は創造性はいらないし、本当の問題解決能力もいらない。」(P26~27)という。確かにその通りだ。現政権は、会議を乱立させ政治主導を発揮していないが、官僚も異常事態に対応できないでいるのは間違いない。

 例えば、原発が破壊した残骸を合法的に処理する法令が現在ない(現行の廃棄物処理法では放射能を含む廃棄物は対象外。原子炉が破壊された大量の残骸をどうするかと問題を考えられなかったし、そのような法令をつくれば「いつか壊れるやっぱり原発は危ないじゃないか」とツッコミがあるので、作れなかったのが実情だろう)そうだが、そういった難題は審議会でも作って原子力や産廃処理の専門家に丸投げするのが関の山だろう(未知の問題なので官僚が介入しにくい)。

 そしてやろうとしているのは、増税や財政再建など震災以前に学習したことを状況も考えずやろうとしている・・・。あるいは、東電の現状の体制をできる限り残そうとする救済(補助)である。

 政治主導が叫ばれて久しいが、本書に書いてあるように高級官僚は一労働者ではなく「政府の取締役にあたる」地位であり、政策の結果責任を問われるべきだ。実際に法案を書いているのは、他ならぬ官僚なんだから・・・。そして官僚がクビになっても困らないように失業保険もきっちり払うべきだ。不祥事で退職した時に役立つし(笑)。そうすれば、雇用保険を流用して旧雇用促進事業団みたいに無駄な保養施設など作りにくくなるだろう。

 政治家も官僚も変わらないと、デフレは継続するし、増税は止まらないなど日本の将来はますます暗くしかならない・・・。

 
 
 
 
 
 

小沢元代表起訴に関する雑文

 
 本日、小沢元代表が強制起訴された。

 私は、小沢被告が有罪か無罪かにはほとんど興味がない。ただ、今まで検察や検察審査会のメンバーしか知らされれていなかった疑わしい証拠が裁判という公開の場で提示され、裁判官が判決を出すという意味ではいいことだ、という程度しかない。専門家が検察が起訴しなかった事件だから、有罪か無罪かを判断するのは難しいし、私がそれを決めるようなことを書くべきではない、と考えている。

 だが、今回の事件で小沢氏が「都合の悪い点に関して逃げ回るような人物」ということを深くイメージさせたことが大きい。たとえ無罪になっても、多くの人は逃げ回ったイメージが残るだろう。
 そして本人のこのような対応から「豪腕」とか、前回の代表選に敗北したことから「選挙に強い」という小沢氏にとってはある面では都合の良い側面も私の中から消え去ってしまった。

 そしてこの強制起訴は、小沢氏個人だけではなく、民主党の対応も問われるだろう。強制起訴は事前に決まっていたことだけに、党として迅速に対応しなければならない。だが党分裂を恐れる現状では無理そうだ。

 個人的には、このようなことは国会でやるべきではなく、「司法の手に委ねるべき」と考えている。今、来年度予算など、やるべき他の課題が山積しており、政治とカネの問題などいまさらやっている時間はないはずだ。

 でも野党は政権を非難し、内閣総辞職や解散総選挙に追い込むのが仕事。民主党も野党時代に国会の審議を遅らせたりしているので文句を言う資格がない。国のためには、泥仕合は避けて欲しいが、野党の立場上そうはいかないだろう。

 と考えると、明日から2月だが、考えると嫌になってしまう・・・。 

 
 
 
 
 
 

増税推進内閣は成立したのですが、どうでしょうか・・・。

 
 昨日の報道で「第2次菅改造内閣は増税推進内閣だ」とは思っていましたが、まさか官房副長官に藤井裕久元財務相を起用とは・・・。ここまで親財務省内閣を徹底させるとは、想像しませんでした。

 だが、この人事でも簡単に増税実施となるとは思えない。何故なら、民主党に決断力がないからだ。菅総理は、口では増税支持のようなことを言っているが、増税発言で参議院選挙で負けたと思っているからそれはないだろう。民主党は、「将来のために次の選挙に負けてもいい」という覚悟を持つ政党とは到底思えないのだ。

 それに、ねじれ国会では与党の力だけではどうにもならない。自民党は消費税率10%を公約にしているが、選挙に勝つために与党に協力しないのに決まっている。世論に増税反対の声が多ければ一転して反対するか、増税の対案を出して与党案に賛成しないだろう。もちろん、故小渕元総理のように、野党案丸呑みする根性がないことを見透かしての行動でしょう。

 そんなことよりも財務省にとっては、来年度予算とその関連法案の成立が先である。そうでないと4月以降の財源確保が困難だからだ。財務官僚にとっては、「死に体の菅政権になどに増税は期待できない」と考えているのが本音だろう。さて、菅政権はいつまで続くのやら・・・・。

 
 
 
 
 
 
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百おやじ

Author:百おやじ
 男性 仕事はあまりできないが多少の資格はある。
 経済・自作PC関連・メイド喫茶等に興味を持ち、趣味で日本大学通信教育部経済学部を卒業したかなりの変わり者。

 
 
 
 
 
 
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